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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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いつだって、今日の私が私史上最高に素敵―重松和佳子

【第3話】幸せの形は十人十色、その違いを尊重したい
2018年09月06日


 


重松和佳子

外資系金融機関
営業

重松 和佳子

-Profile-


1980年群馬県藤岡市生まれ
1999年3月 慶應義塾女子高等学校卒業
2003年3月 慶應義塾大学卒業(文学部人間関係学科教育学専攻 )
2003年4月 P&Gジャパン入社
2009年1月 外資系金融機関に転職。
1年目より同社の成績優秀者表彰に入賞、2年目には同社の女性営業職のトップになる。 世界基準で競う業界成績優秀者表彰に入社初年度から9年連続入賞。 2016年に約半年の産休を経て、「活動量を減らしても業績は落ちない」を実践中。 現在は、事業承継、相続、信託についての勉強会や、「営業はセンスではなく科学」をモットーに、営業職についての企業研修なども開催中。 また、「営業職の面白さ、やりがい、その実践的ノウハウを若い人に伝えたい」と大学での講義も積極的に行っている。

 

-Interviewer-

オフィスブリエ
代表

木村 元子

HP:https://木村元子コーチ.com/

気持ちの良い選択が私を豊かにしてくれる

日本に5人しかいないアンソニー・ロビンズが認めたシニアリーダー。2013年にはアメリカでストレングスファインダーコーチのトレーニングを終えGallup認定ストレングスファインダーコーチとして個人、組織の強みを活かした人材育成に邁進中。 1年半前より重松のコーチでもある。

#1 コンプレックスの塊だった幼少期~20代
#2 信頼を得る第一歩は、約束を取り付け、守ること
#3 幸せの形は十人十色、その違いを尊重したい
#番外編 秘書から見た重松和佳子

 

優先順位はどうつけられますか?

目先ではなく、未来まで継続して効果があるかどうかです。どちらの方が、今だけではなくてこの先、継続して良いかを考えます。

その優先していることが未来に向かって継続的につながっているかですか?本筋から外れないということ?

そうですね。この場を切り抜けるために選択するということは、しないようにしています。

選択に迷う時は、何を基準に選ぶのですか?

それはピンと来た方です。今までの私の人生において、蓄積された全データを駆使してピンときているわけですから、その私の勘が一番信頼できると信じています。そうは言っても、実は私は人に良く相談します。迷ったり、へこむことがあると、誰かと話したいので、積極的に相談します。そうすると人の意見が聞けますよね。こんな意見もあるのだと知れば、それも選択肢に入れて、そのたくさんの選択肢の中から、一番ピンとくるものを選びます。

自分だけの意見ではなく、信頼できる人の意見も貰った中で自分の直感で選ばれるのですね。和佳子さんは本当に人に恵まれていますね。

本当にそう思います。私の経験なんて限られていますから、餅は餅屋、人に聞いた方が良い情報が得られます。大切にしているのは、人の意見も取り入れたうえで、私が選択するということです。

もう一つ大切にしているのは、目の前のことに集中するということです。迷ったり悩んだりしていると、そのことにばかりフォーカスしてしまうので、一旦そこから離れるために目の前のことに集中します。そうすることで、結果いい選択ができることもあります。そのことだけを見ていると、だんだん焦点がぼやけてしまいます。

離れるためにあえて目の前のことに没頭するということですね。それはとても面白い考え方ですね。

迷ったり悩んだりすることが目の前にあることは、まずないのです。例えばどこの学校に進学しようかなと悩んだときに、それ自体が目の前にないですよね。それより今、目の前にある勉強や試験に集中しようかということです。今考えても仕方のないことを今悩まないと思っているのでしょうね。

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ちゃんと目の前のことに集中しながら、その間にいろいろな人の意見を聞いて、そこで改めて選択するというのはとても素晴らしいですね。

最近、元子さんとお会いしてから変わったのかもしれません。自分を知ることが本当に大事だなと思います。選択することにおいて、自分がご機嫌で、笑顔でいられるかというのが重要なポイントです。まずは、どうしたらそういられるのかを知らなければいけません。私はどうしたらご機嫌でいられるかというと、「健康である、自分のことを愛せる、おいしいものを食べられる、十分な睡眠をとれる」です。20代のころは、この睡眠をどうにか3時間で過ごせないだろうかと「3時間睡眠法」の本を買ってチャレンジしては、できない自分を責めたりしていました。今は「私は8時間眠りたい」ということを自覚していますので、睡眠はキチンと取ります。どうすれば自分がご機嫌でいられるかというのを日々模索しています。

いろいろな人とお仕事でもプライベートでもお会いすることがあると思いますが、その中で尊敬している仕事人がたくさんいらっしゃると思いますが、その方々に共通していることはありますか?

「愛」がある人です。

「愛」は和佳子さんのキーワードですね。

はい。あとはビジョンがある人。正直な人。努力する人。優しい人。先が見渡せる人。ビジネスにおいては、「こうするとこうなる」というように、勘がさえている人は尊敬します。

それは私から見ると和佳子さんイメージですよ。

本当ですか?私の中の「こうありたい」と思うところが自分の条件なのでしょうね。

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ところで、なぜ「the Switch」を始めようと思われたのですか?

今の本業を始めて10年ほど経ちますが、この仕事でなければ出会わなかった方々と出会うことができました。この仕事を通じてお客様になっていただいた方の、それぞれの人生観を紹介したいという思いです。そしてもう一つは単純に私がその方々から人生のヒントをたくさんもらっていますから、それを読者に伝えたいという思いです。

「the Switch」ちょうど1周年ですね。続けてみていかがですか?「the Switch」を通して、どんなことを更に伝えていきたいですか?

すごい人を見ると、この人は天性なのではないか、生まれつきの才能で、この人だからできるのじゃないかと思いがちなのですが、そのすごい人たちが生まれた時からすごいという訳ではないと思います。その方のいろいろな価値観、考え方、思考、やり方とかそういうもので、今があるのだと思います。その人らしい仕事ぶり、美学、価値観をご紹介することで、読んでくれた方の人生のスイッチが入るきっかけになっているといいなという思いです。

「the Switch」というタイトルはどうやって決められたのですか?

まさに「誰かの人生のスイッチボタン」になるようなキーワードが散りばめられたインタビューサイトになればいいなと思いました。

なるほど、そんな思いが込められているのですね。いつも和佳子さんがインタビューするときに聞いていらっしゃいますが、和佳子さんにとって幸せって何ですか?

私は大学の授業で講義させて頂く機会があるのですが、その時に必ず「幸せは方程式で書けます。幸せ=??なんだと思いますか?」とお聞きします。

私の答えは、「幸せ=持っているもの/欲しいもの」です。分母が欲しいもの、分子が持っているもの、です。
10個のリンゴが欲しくて、10個のリンゴを持っていれば、幸せですよね。という話です。
試験で100点を取りたいのに90点だったら幸せじゃないけど、90点取りたいと思っていた試験で90点だったら幸せだよね、と。
何が言いたいかというと、欲しいものが分母なので、欲しいものがわかっていなければ、幸せは0です。ですから、自分の欲しいものを自分で見つけられることが幸せなのだと思っています。

では、和佳子さんの欲しいものは何ですか?

私の愛する人たちの笑顔の総量だと思っています。ですから、今度は掛け算です。

「自分の愛する人の人数×その人たちの笑顔の数」。ですから、それぞれが増えることにより私の幸せは最大化していきます。

私はこうやって出会うことによって好きな人を増やしていきたいですし、その方たちが笑顔になる瞬間にご一緒したいし、一緒に作り出したいと思っています。

例えば、ふと「あの人たち幸せそうだな」って思うことないですか?公園でワンちゃんと散歩していたり、老夫婦が手を繋いでいたり、子どもが満面の笑みで遊んでいたり。そういう光景を見ると私は「幸せそうだな」と思いますが、それは、「愛し合う人が集っているのだろうな」と思うからです。これは私の幸せ論ですが、すべての人にとって、「あの人幸せそうだな」とか微笑ましく感じる場面を思い浮かべて、その中の何に自分が幸せを感じているのかというのを考えれば、自分の幸せの方程式の分母が見えてくるのではないかと思っています。

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ここでも自分を知ることにつながりますね。
この先の未来、どんなふうに生きていきたいと思いますか?

20代前半からずっと思っていることは、「周りにアップスパイラルを巻き起こしたい」ということです。その当時からずっとこの言葉が人生のキーワードになっています。例えばどこかの飲み屋で、上司の文句を言い、誰かの悪口をいう人同士が集まっていたりする。盛り上がりはするけれど、それでは何の生産性もない。これがダウンスパイラル。反対に、私が台風の目となって、いい風を起こすことができれば、周りの人がそれに巻き込まれ、更にその人が風を巻き起こす。それがアップスパイラルです。私が周りの人にそれを起こすことで、その人たちが、その周りにもそのまた周りにも起こしていけば、やがて世界平和になると本気で信じています。

それを24~25歳から思ってらっしゃるのですね。和佳子さんは今37歳!目指す40歳はいらっしゃいますか?

目指すのが苦手なので、あまり考えていないです。
目の前のことに没頭していれば、私にとって一番いい未来がやってくると信じています。私が今想像できる程度の3年後ならつまらない!と思っています。

和佳子さんは、ご結婚して、お子さんもいらっしゃいます。プライベートも大切にしながら結果を出している。働く女性はここが課題という方が多いと思います。何かメッセージはありますか?

この仕事を始めてうまくいき始めたころ、結婚しているけれど子どもはいない状態でした。しばらく「子どもって私にはいない方がいい」と思っていました。なぜかというと、これで子どもが生まれると何でも持っている人だと思われるのじゃないかという思いがどこかにありました。どこかちょっと欠けている方が、愛らしい気がしたのです。子どもができない自分を前面に出していました。「私は好きな仕事はあるけれど、子どもはできなかったのよね」というのをアピール材料にしていたことがありました。ですが、ある時、本当に子どもが欲しいと思い始め、不妊治療を始めたけれどなかなか授からなかったときに、人生で初めて、努力しても手に入らないものがあるということを知りました。心のどこかで、努力すれば手に入ると思っていたのでしょうね。ずいぶん傲慢ですよね。努力ではどうにもならないことを受け入れて、生きていくしかないのだなということはその時に感じました。

今思えば、何を持っていて、何を持っていないというのは、周りと比べるようなことではなかったのだと思います。ですから、お子さんがいようがいまいが、結婚していようが一人だろうが、パートナーが異性だろうが同性だろうが、シングルマザーであろうが、仕事をしていようがいまいが、その人の自由だと思っています。自分が幸せだと思えればそれでいいじゃないと思います。よく私も「女だったら子どもを生んだ方がいいわよ」とか「家族や子どもを持つと今まで気づかなかった世界が見えるし成長するよ」などと言われましたが、それもその人の価値観にすぎません。読者の皆様も、もしかしたらそんな外野の言葉に心がざわつくことがあるかもしれません。ですが人は人。笑顔で無視しましょう(笑)。私は結婚して、たまたま子どもがうまれましたし、仕事をするという人生を歩いていますが、これが人生のロールモデルだなんて思っていないです。みんな自由に自分の思うように生きればいいと思います(笑)。

それぞれが自分の思うように生きる、素敵ですね。
これからの「the Switch」も楽しみにしています。ありがとうございました。

(撮影協力 本多佳子)

#1 コンプレックスの塊だった幼少期~20代
#2 信頼を得る第一歩は、約束を取り付け、守ること
#3 幸せの形は十人十色、その違いを尊重したい
#番外編 秘書から見た重松和佳子