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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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信じられるのは自分の軸、そのためのコンディション作りは怠らない。―茂木 里江子さん

【第2話】嘘はつかない。自分をごまかし始めると自分のセンサーが狂いますから
2018年04月12日
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茂木さんとお会いするたびに感じるまっすぐな力強さ。それは茂木さんの中にこの信念があるからだと知りました。
「嘘はつかない。自分をごまかし始めると自分のセンサーが狂いますから」お楽しみください。


株式会社アザヤカコンサルティング 代表取締役 茂木 里江子さん

HP:http://www.azayaka.co.jp/

-Profile-


大学卒業後フリーアナウンサーとなり、TBSの中小企業を紹介する番組(スポンサー:中小企業庁)を9年に渡り担当。番組上で企業の経営手法や成功の秘訣を取材するに連れて企業支援に目覚め、2004年、企業経営を支援する株式会社アザヤカコンサルティングを設立。2010年には、グループ会社として税理士法人アザヤカが設立され、お客様と専門家との橋渡し役として資産税についてわかりやすく説明している。著書に「誰でもできる らくらく相続シミュレーション」他

 

#1 バブル時代のTVリポーターから38歳で社長に
#2 嘘はつかない。自分をごまかし始めると自分のセンサーが狂いますから
#3 人に好かれるわがままであれ

今のお仕事をご自身がやる意義は何ですか?

私の強みというか特徴は、とにかく人と同じでいることが嫌なのです。人と違うことに快感を覚えます。これはしょうがない!バブル星人ですから(笑)そこが逆に私の強みであるとか意義だと思っています。
例えば、世の中全員がこの人はダメっていうレッテルを貼っていても、例えば逮捕歴があってこの人とは付き合わないほうがいいと言われても、私は自分の目で確かめてから決めます。世間体であるとかいわゆる常識の価値観とは違う価値判断をするということをベースに置いて仕事をしているということは、「私である意義」の一つだと思います。
自分で本当にそう思えたら納得しますが、世間でこう思われているから私も行かないということはしないですね。

それで、茂木さんに助けられている人たくさんいらっしゃるでしょうね。

そうかもしれませんね。でも逆もあります。みんなが良い良い!と言っていても、そうじゃないということもあります。でもその軸はぶれないですね。

その軸は何からきているのでしょうか?

まず、迎合しないということは根っこにありますね。それが根っこにあることは自分としては感謝しています。あとは自分が判断軸になっていますので、自分のコンディションは整えておく必要があります。信じられる自分でいるようにしておく。嘘をつかない。自分でごまかし始めると自分のセンサーが狂ってしまいますから。自分のセンサーを常に狂わないように磨いておくということは必要だなと思います。

センサーは磨けますか?

まずはコンディションだと思います。心身ともに健康であることが絶対重要です。やっぱり病気のときや具合が悪いときは、そのセンサーが利かなくなりますから。そのためにどんな環境にしたらいいかというのを常に考えていくことではないでしょうか。
こういう人と会っておいたほうがいいとかね。私はネガティブな人とはあんまり会わない。特に自分が具合悪いときには絶対に会わないようにしています。もしかしたら周りもそう思っているかもしれないから、自分が疲れてきたかなと思ったときこそポジティブな装いをします。発言も前向きにします。できないと思っても「できません」は絶対に言わないですね。調子のいいときは「できます!」と即答しますが、自分がちょっと落ちているときでも、絶対に「できません」は言わないようにしています。

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ありがとうございます。
小さい頃は、どんなお子さんでしたか?

要領がよく俊敏っぽく思われがちなのですが、全然真逆で超どんくさい子でした。体育も全然できないし、跳び箱3段も飛べませんでした。家庭科も酷かったですね(笑)

家庭科は少し想像がつきます(笑)

クラスで一番最後までパジャマが出来上がらずに、最後糸切りハサミで生地切っちゃった!みたいな(笑)
そういうどんくさい人間だったのですが、でも人前に出ることは好きでした。ですから自然と中心になることが多くて、幼稚園や学校の学芸会では絶対に主役でした。卒業生総代などをしたりしているうちに、徐々に積極性が着いてきたような気がします。

どうしてそういう性格になられたのだと思われますか?親御さんの影響でしょうか。

どうでしょう。両親は細かいことは言わなかったですね。幼稚園に入れたら園の先生に任せきりだし、学校に行ったら学校に任せきりで、口を出すということはなかったですね。

家訓といいますか、家でのルールってありましたか?

ルールもあんまりなかったですね。厳しく育てられたという記憶もないですね。
まあ、それでお料理も全くできない私が育ってしまったのですが。(笑)

ご両親が、そうやって先生を信頼して任せてくれたから、茂木さんのいいところが引き出されたのかなと思いますがいかがですか?

そうですね。中学から電車通学を始めて、カバンのほうが大きいくらいだったので、これで満員電車に乗って通えるのかしらと親も心配していたようですが、そのあたりから、だんだん逞しくなっていったのでしょうね。

そのころなりたかった職業はありましたか?

それが、小学校の時に書いた「アナウンサーになるために」というノートが出てきたのですよ。

え~!本当ですか。

私、アナウンサーになりたかったんだ~って。

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「アナウンサーになるために」ノートには何が書かれていたのですか?

それこそ、「口を開けてはっきりとモノを言う」とか書いてありましたよ。それはびっくりしましたね。

いつ発見されたのですか?

大学の頃ですね。まあ確かに人前でしゃべること、例えば祝辞だとか、卒業生の代表で読むとかそういうチャンスは自然と出てきて、何となくアナウンサーという意識はあったから、物おじしないでしゃべるということはできたのかもしれないですね。

でも、なかなか小学生のころの夢を実現できないですよね、すごい事だと思います。
女性で得したり損したりしたことはありますか?

損か得かというのはよくわかりませんが、まず私は女子校育ち。女子校だから故に、ものすごく女っぽくなる人と、逆になるタイプがいるのですが私は逆になるタイプでした。今だに私は車道側しか歩かないのです。男性といる時でも(笑)

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(笑)面白い。

男性が危なかったらこういう風にかばっちゃうし、それが身についてしまっています。
若いころは更にとんがっていたから、女性として見られてアプローチされるというのが苦手で、それに対して嫌悪感を持っていたことがありました。「いや~女の子だからこれはできないでしょ~。いいよやるよ~。」とか、そういうのはすごく嫌で、どちらが損か得かではなくてただそういうのは面倒臭かったです。前世は男性だと思っていたし、男に生まれたかったなと若いときは思いましたね。
ただ、今になるとまあ、そういうことも超えちゃった年代になってきたので、いろんな垣根が取れてきた部分もあり、そうなると女性としての部分も解るし、自分が女性であることをあまり意識せずに男性の友人とも深い議論ができるので楽しいです。いい意味でフラットになってきました。いまは女性で良かったかなと思いますね。だってこれで、もし私が男性だったら、ほんとのオッサンですよ!(笑)

要するに仕事や生きていく上で、性別は関係なく生きていらっしゃるということですね。
仕事での失敗談を教えてください。

結構たくさんあると思うんですが忘れてしまいましたね。
一つ思い出したのが、レポーターの仕事をしているときに、地方に行ってお弁当が出たので、わたしだけ全く何も気づかずに完食してしまったんですよ。
そしたらものすごい食中毒!今も覚えてます、福井県の山奥で入院です。結構長く入院しましたよ。もう帰りたくて帰りたくて。それから食べ物は、一回匂いを嗅いでから食べる!それは教訓ですね。(爆笑)どんなにお腹が空いていてもがっつかない。

その時お仲間は平気だったのですか?確かに自分だけだと反省しますね(笑)。

逆に「あれ食べたの?」って驚かれましたよ。

ご自身の強みは何だとお考えですか?

裏表がなく、思ったことを溜めずに言えることです。昔は、気づかないところで人を傷つけてきたかもしれないです。今は、おそらく昔に比べて表現の引き出しが増えてきいるので、相手をそんなに傷つけたりせずに、相手に理解してもらえる形で自分の言いたいことが言えるようになってきたかな。これは強みですね。

これは努力してらっしゃるのですか?言いたいことを言えなくてストレスが溜まるというのは世の中多いと思うのですがそういう人に向けて、アドバイスはありますか?

メールはすごくいい勉強になりますね。
メールは後に残るし、きつくなりがちなので、言いたいことをいかに上手く相手に伝えるか。
要は、相手を動かさないといけないわけだから、その表現には気を付けて、メール文は推敲して、何回も考えます。
簡単な言い方をすれば、飴と鞭をちりばめて、この人の場合は飴から行こうかなとか、最初は鞭にして、飴で終わったほうがいいかなとか。メールで何かを依頼するということはいいスキルアップにつながると思います。

では身近な人間関係、例えば家族関係などがうまくいかなくて悩んでいる人も多いと思うのですが、そこで言いたいことを言うためのアドバイスはありますか?

これは難しいね~。家族はね。とりあえず、「ありがとう」を家族にはすごく言う。意図的にいいますね。あとたまに褒めたりもしますね。動かしたいときは特にね(笑)

コミュニケーションの結論は相手を動かすことですものね。コミュニケーションの達人でも家族となると難しいんだということが今わかりました。他人だと言わないようなことも言ってしまってこじれることが多いですからね。

難しい!難しい!やっぱり、気を遣わないというか、緩むところですからね。とにかくとにかくありがとうですよ。ありがとうの出し惜しみはしないということですね。

(撮影協力 本多佳子)

#1 バブル時代のTVリポーターから38歳で社長に
#2 嘘はつかない。自分をごまかし始めると自分のセンサーが狂いますから
#3 人に好かれるわがままであれ