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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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僕たちの仕事は、命は救えない。けれど、お客様の人生は変えられるかもしれない。―三原 孔明さん

【第2話】理念や使命は100万回でも伝え続けないと忘れられてしまう。
2018年03月15日
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社員教育が最大の投資、と力を注いでいる三原社長。第2回は、社長の仕事についてお聞きしました。
「理念や使命は100万回でも伝え続けないと忘れられてしまう。 」どうぞお楽しみくださいませ。


レナード株式会社 代表取締役 三原 孔明さん

HP:http://lenard.jp/

-Profile-


全国に展開する複数のエステサロンブランド、国内外へ販売する美容機器メーカー、化粧品メーカーなど計6法人を運営するレナードグループの代表取締役 2012年にレナード株式会社を設立し毎年200%以上の成長し、今後2025年に100億企業を目指す。企業としての成長の第一として「社員教育」を掲げ、 サロン運営においては潰れかけのサロンチェーンをM&Aにてグループ化し、 主に社員教育によって個々のマインドを改善し、短期間で売上を5〜10倍にするビジネススキームがある。 また美容機器メーカーでは製品力の良さはもちろん、三原の自ら営業マン一人一人に対して常々教育を行い、業界きっての営業力を誇る営業部を構築し、 国内外のマーケット拡大、シェア獲得を進める。 その教育の背景には、売上面だけの成果としてのこだわりではなく、お客様を幸せ、成功や、それを通じた自分自身のやりがい充実感、成長こそが最大の成果とする考え方「感動創造」という理念を掲げ、その浸透こそが教育においての最優先かつ最重要として取り組んでいる。

 

#1 教育の根幹は教え手が決して諦めないこと。
#2 理念や使命は100万回でも伝え続けないと忘れられてしまう。
#3 目指すは日本一学びの機会の多い会社であること。

現在はレナード株式会社の代表取締役社長でいらっしゃいますが、三原さんにとって社長というお仕事は何ですか?

社長にとって、一番重要な仕事は会社の価値観とビジョンを明確にすることです。
会社の理念をもってして、会社をいつまでにどんな状態にしたいのか。その目的は何なのか。
それらを計画的かつ戦略的に落とし込んで社員に伝えていくことです。
例えば、私共は2025年までに会社を100億円規模にするいう目的があるのですが、その中で社員自身がどうのように成長していきたいのか、達成した時にはどの立場に立っていたいのかという彼ら自身の夢も重ねて作っていってほしいと思います。
逆に言うと、社員一人一人の夢が実現したから、100億円を達成できたという形になると最高です。

社長の理念やこういった思いはもう既に出来上がっていると思うので、それ自体は変わらないですよね。それを常に常に戦略的に計画的に伝え続けるというのが仕事ということですか?

そうです。ただ、理念や使命という価値観や想いは形がないものですので、同じ話でも100万回でも伝え続けないと、業務に追われる現場では、何かあると疎かになっていき、どんどん忘れてしまうんですよ。

確かにそうですね。

誰でもそうだと思いますが、目先の売り上げだとか、自分の成果だとか、個人の目標、チームの目標にとらわれて、それ以前の目的を忘れがちなんですよ。
数字ももちろん大切です。けれどそれに走ってしまうと成果は出ないし、成果が出ないとモチベーションが下がる、という悪循環のサイクルに入ってしまいます。だから僕は伝え続けます。先ほども伝えましたが、お客様に貢献した数、喜びを与えた数が売り上げになって返ってきます。ですから「売上目標」というのは、どれだけのお客様を幸せにするか?の「目安」なんだという話をします。
また、そのような働き方をすれば必ず成果は出ますし、何より自分自身が楽しく充実感に満ちた毎日を過ごせますから。

御社の理念を教えていただけますか?

この会社の理念は「感動創造」です。

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どうやってその理念にたどりついたのですか?

実は理念について思い描くことがあっても、なかなか言葉にできなかったのですよ。
この言葉の意味は、「従業員同士やお客様に対して感動を与えることを通して、みんなの人生をより良いものにしていきましょう。関わる人全員が成功した人生を送っていくための会社でありたい」です。
いろんな言葉を考えて考えて、そしてひらめきました。

ちなみに、この理念は、いつできたのですか?

これは会社を設立して1年後です。その1年間ずっと考えていましたよ。
簡単にできてしまうことなんて理念ではない。
すべての中で一番大切なことでなければいけない。と思いましたからね。

みんなそうありたいけれど、なかなかできることではないです。
例えば理念はあるけどなかなか伝えられなかったり、理念が独り歩きしてしまったり、理念はただあるだけという会社が多い中で、これができている理由は何ですか?

できているとは思っていないですよ。でも目指していますね。

すべては社長の想いですよね。

そうですね。この想いというのは言葉だけでは絶対に伝わりません。会社の取り組みや、コミュニケーションの取り方、会社の雰囲気など、そのすべてで僕の想いを感じてもらうように努力しています。この職種を営むきっかけは、たまたま最初の仕事がエステだったからという感じもしますが、僕はこの仕事を誇りに思っています。
エステは人を綺麗にする仕事だけれど、ただ綺麗にするだけではなく、その人のその先の人生に何かしらの力添えができるのではないかと気づいたのですよ。
人ってなぜエステに通うのかということを、もっともっと深堀していくと最終的に行き着くのはその方がより幸せになりたいから。幸せになり、人生をより良くしたいというところに行き着きます。僕たちは命を救うことはできませんが、お客様の人生をより良くするというのはもしかしたら、それと同じくらいの価値があるのではないかと。その素晴らしさに気づいたときに僕はこの道を貫こうと決めました。
この尊い意義に、サラリーマンの最後の最後に気付いた時から社員教育が最優先事項となり、それができるようになってから部下が一気に成長しましたね。
そこから独立をして設立した会社もすぐに成長のスピードが思い切り加速しました。

結局伝える側の人間がどれだけ腹落ちしているかということなのでしょうね。

もちろんそうですね。
現場のスタッフも本当はわかってるんですよ。通ってくださるお客様がどんどん明るくなっていったり、恋人ができたり結婚することになったり。そういうお話を直接お客様から聞きますからね。けれど今一歩深く気づかせてあげるために、「君たちはいい仕事をしてるんだよ。人を幸せにしているんだよ」と常に言い続けてあげることも大事ですね。


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では社会的意義というのはみんなを幸せにするということですか?

はい、より多くの、より大きな幸せを提供して、世の中を幸せにするというのが社会貢献ですよね?
実際に社会全体に幸せな人々を増やして、僕たちの幸せ提供が社会をより良くしているんだ!と肌で感じるレベルになるは、100万、1000万ではなく、最低でも100億円分の幸せを生み出し提供できる企業になる必要があると考えています。これが僕が100億円企業を目指している理由です。また幸せが幸せを生み、より大きな幸せをさらに循環して日本をもっと良くすることができたら、この上ないやりがいになるはずだと、ワクワクします。

すごいですね。エステ業界で1番を目指されてますか?

いえ、特にNo.1を目指してはいません!
ただ、「世界一スタッフが幸せな会社!」は目指しています。

素敵ですね。ちなみに、失敗談はありますか?

失敗ですか。本当に楽天家すぎてね(笑)覚えてないのですよ。失敗してすぐにrecoverすると忘れてしまうタイプです。こう言うと順風満帆だと思われてしまうけど、そんなことは全くないですよ。人の何十倍も失敗してきています。
まあ、最近の失敗談といえば、熱くなりすぎることですね。実は僕は男性にはすごく厳しいのですよ。だから、時々、厳しくしすぎてしまうところがありますね。

男性に厳しいのですね。女性には厳しくないのですか?

女性にはめちゃくちゃ優しいですよ(笑)。女性は褒めて育てます。そのほうが伸びますしね。男性にはどうしても根性論であるとか、「男」として「父親」としてどうなんだ?という感じで少し熱苦しい教育になることがありますね。これは時折反省しますね。
実はね、優秀な営業部隊が少し前まで3人いたのですよ。少数精鋭型でやっていたのですが、そのうちの二人が同時に辞めるという事態になったのですよ。それも、営業のリーダーの男性と、営業成績トップの女性です。おひとりはご家庭の事情だったので仕方がなかったのだけれど、リーダーも辞めると聞いたときはかなりショックを受けましたよ。ちょっと僕が熱くなりすぎたのかな。彼も何か感じることがあり、退職となったわけですがその時はさすがの僕も3日間くらい落ち込みましたね。

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どのようにして打開されたのですか?

まあ、3日落ち込んで、ふと「ちょっと待てよ。こんな風に落ち込んでいても何も進まない。もしかすると、これは営業部をもっともっと最強チームにするきっかけなんじゃないか」と思い、人事担当に大至急、営業スタッフを10人ほど採用するように指示しました。かなり費用はかかりましたが人材紹介会社を10社ほど使い、2ヶ月で営業マンを9人採用しました。今は10人で新たな営業部として頑張っています。
手塩にかけて育てた従業員の退職というのは本当につらいことですが、でも新たな組織づくりのきっかけになったと感謝しています。

数年前までは、サロンスタッフを合わせても数十人規模の会社で、ファミリー的な和気あいあいの雰囲気が魅力で入社してきている人もいます。
ただ全速力で走っているので、会社がどんどん大きくなり、組織化されて企業になっています。そのスピードや勢いについてこれなかったり、組織化を望んでいない人、優秀な人材であっても活躍できるステージは人それぞれ違うということも学びました。

まあ単純に目指す道がちがったのでしょうね。

結果的にそうかもしれません。理念、ビジョンの相違があったということです。
僕が、会社を経営していて一番悲しいのは社員の離職です。
売り上げが下がろうが、全然精神的にやられませんが、自分の想いが伝わらなかったり、一緒にもっと戦いたかった人が去るというのはつらいものです。
だからこそ、もっと上質なコミュニケーションをとろうと思いますね。
コミュニケーションをとる目的で毎日ご飯食べたり、飲んだりしていたので、そこの部分も反省ですね。どういう距離感でどうコミュニケーションをとっていくかを最近は特に考えています。

どれだけ飲みニケーションをしても辞める人は辞めちゃいますからね。

コミュニケーションは数でも、お酒や報酬でもなく、質こそが本当に大切ですね。
僕の願いとしては、企業の成長が個々の成長になることもですが、個々の成長が企業の成長になるという側面で、もっと従業員一人一人のやりがいや成長に向き合いたいですね。

新たな営業部隊はいかがですか?

そうそう、実は新たな営業部になってまだ数ヶ月ですが、昨年比を大きく上回っているんですよ!ピンチはチャンス!本当にそうだと思っています。
まだまだ最近入社した彼らは教育途中ですので、これからどれだけ成長して、営業部全体がどこまで行けるか楽しみです。

(撮影協力 本多佳子)

#1 教育の根幹は教え手が決して諦めないこと。
#2 理念や使命は100万回でも伝え続けないと忘れられてしまう。
#3 目指すは日本一学びの機会の多い会社であること。