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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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Made in JAPAN を世界ブランドにしたい―酒井 幸太郎さん

【第3話】直感力を鈍らせない
2020年07月01日
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酒井さんとは5年ほど前、日経ビジネス経営塾1期の同期生として出会いました。見た目通り、優しくて穏やかなお人柄で塾生同期の間でも人気者です。こう見えて人見知りの私を、みんなの輪の中へ入れてくれたのは酒井さんでした。経営者一家でありながら、ご自身も起業されていて、柔らかさの中にしなやかな強い芯を感じます。全3話お楽しみください。

 

酒井幸太郎

株式会社アースモス 代表取締役

酒井 幸太郎さん

 

1979年生まれ
2002年大学卒業後、カリフォルニア州ロサンゼルスに留学。
2006年に帰国後、父の会社に就職。
2008年、どうしても起業したい気持ちをおさえきれず独立。高級車の輸入なども手掛けたが失敗。
高校生の頃から収集していたアナログレコードなどをインターネット上で海外に販売する越境EC事業を立ち上げ、EC業界に参入。しかし為替の影響で軌道に乗れず失敗。アルバイトをしてしのぐ。
2010年、身内の提案ではじめた陶磁器製和食器のネット通販事業が伸び、現在に至る。

 

酒井さんの強みを教えてください。

 

強みですか?いい意味でも悪い意味でもあんまり悩まないところですね。悩む前に行動します。

 

それは悩む前に行動しようと思ってやられているのか、それとも、ご自分の性格上あんまり悩まないで行動しちゃうタイプ、どちらですか?

 

どちらも当てはまりますね。悩むときは、何か原因がありますよね。原因は何かを考えて「まずここかな?」と思ったら、それを解決するための行動をとります。

 

結構せっかちなタイプですか?

 

僕はせっかちだと思いますね。
要するに悩みたくないんですよ。長く悩むくらいならやってみようと思います。

 

なるほど!酒井さんはとても交友関係が広いと思いますが、できるビジネスマンは何が違うと思いますか?

 

できる方というのは、相手にあまり強要しないなあと思います。自分の中にルールがあって、そのルールをご自身が大切にしている。決して押しつけたりはしないですね。そういう方にお会いすると、できるビジネスマンだなあと思います。

 

酒井さんのルールって何かありますか?

 

僕のルールですか?私は、基本的にはお誘いを受けたら予定が空いていれば、最初に頂いたご案内からスケジュールに入れていきます。もちろんどうしてもできない時もありますが、最初のお約束を後からお断りすることはなるべくやらないようにしています。

 

分かります。そうじゃなかったら経営塾の仲間とここまで仲良くなれなかったですよね。
続いてリーダーの条件を教えていただけますか?

 

感謝ができることじゃないでしょうか。何かを達成するためには、必ず誰かの協力が必要です。自分一人ではできることは知れています。強い想いを持ち、それに賛同してついて来てくれる従業員や家族など、周りの人に対しては感謝を常に忘れずにいたいと思っています。

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感謝、大切ですね。ありがとうございます。
時間やお金、人付き合いについてのこだわりがあれば教えていただけますか??

 

時間は皆平等ですよね。例えば、同じ時期に創業したの会社の経営者が2人いたとして、かたや年商何千億円、かたや年商何千万円、その違いは、運もあるかも知れませんが、時間の過ごし方、質だと思うのです。なので、いかに自分にとって上質な時間を過ごすかはこだわっています。

 

人付き合いのこだわりみたいなのが何かあれば教えてください。

 

人付き合いのこだわりは直接お会いするということです。昔は、ネットで知り合った方などとの付き合いもありましたが、全く話したことのない人とのお付き合いは難しいです。それは直感を大事にしているからかもしれません。

 

ではお金のつかい方にこだわりはありますか?

 

お金は、コミュニケーションを取るためにつかいたいと思っています。例えば通信料であったり、誰かに会いに行くための交通費など、そういった費用は出し惜しみません。一方で、食べるものや、洋服にはこだわりはないので、極端な話、毎日蕎麦でもいいのです(笑)

 

優先順位はどうやってつけられていますか?

 

優先順位は本当に自分がやりたいかやりたくないか、好きか嫌いかですね。
父親と仕事していても楽しくないなと思ったから辞めました。

 

(笑)
家業に入られて、なかなか普通は辞めないですよね。

 

はいなかなか辞めないと思います(笑)

 

でも、その割には、ひいおじい様の砂糖から、佃煮、弁当、そして、食べもの入れる食器という流れがありますよね?

 

今思うとそこは繋がっているなと思いますね。
まあ偶然かもしれませんがね。

 

素敵な流れだなぁと感じています。
お父様の会社は弟さんが継がれるのですか?

 

弁当は今の所そういう予定で動いていますけど。実は、僕も曽祖父が作った会社は一応代表になったんですけどね。

 

佃煮の会社ですね、社長ご就任おめでとうございます!

 

ありがとうございます!
ちょっと二足の草鞋みたいなところはありますけど、これからどうしていくのか考えていこうと思っています。

 

迷ったらどう選択しますか?

 

これは直感ですね。

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それでも迷う時はないです?

 

それはもし時間があるのであれば、1日置きます。

 

なるほど。で1日置いて、また直感で決めるのですか?

 

そう。というのもせっかちな私がすぐに判断できない瞬間は疲れてるんですよ。だから1日置きます。

 

疲れから直感が鈍るというの、よくわかります!
ちなみに疲れないためにやっていることはありますか?

 

実はね、重松さんが昔、「1日8時間寝るのを目標にしている」とおっしゃっていて、私はね、7時間睡眠だったんですよ。出来る限り7時間は寝るという事が疲れを溜めないためにしていたことなのですが、上には上がいるなと思っていましたよ(笑)

重松さんはいつお会いしてもハツラツとされていて、笑顔で輝いているから、8時間寝れば私も重松さんみたいになれるかなと考えていましたよ。ですから睡眠ですね。

 

そうでしたか(笑)睡眠、大事ですね。
酒井さんにとっての幸せってなんですか?

 

一言で言えば晴耕雨読です。

晴れの日は仕事をして雨の日は家で本を読むみたいな生活をしているとき幸せだなと思います。仕事自体は大好きです。好きな仕事をし、熱中できる仕事があるのはありがたいなと思っているんです。ただ、それだけでは先ほど申し上げた通り、疲れてしまいます。そういった時は家でゆっくりしたいなと。まあ週4日働いて3日休むとか。3日働いて1日休むのも良いかな。そんなペースの方が良いなと思います。家族を含めて周りの人が健康で、常にお互いが良いコミュニケーションをとれていると幸せだと感じます。

 

ご家族への想いを聞かせてください。

 

それはもう、妻には感謝しています。
小さい子供が2人いて、私も休みの日は子供達の相手するんですが、私が元気な時は良いんです。でも疲れてる時にあのパワーで遊んだり泣かれたりするとキツいなと思います。しかも私は出張がとても多いので、その間ワンオペなので妻は大変だと思います。それでも怪我もそんなに大きな病気もなく元気に成長しているので、妻には感謝ですね。

 

経営者の陰に妻ありですね、ありがたいですね。
座右の銘はあります?

 

私が一番好きな言葉は徳川家康の、「人の一生は重荷を負うて 遠き道を 往くがごとし 急ぐべからず」です。

 

どんな時にこれを思い出してどう奮い立たせているのですか?

 

壁にぶつかったときですね。一つ一つ分解していくんです。そうすると結局、悩むっていう事は自分でコントロールできない事だと僕は思っています。だからこそそれを解決するためにどうしたらいいかどうすればいいかっていう風にどんどん紐解いていくと、結局はここに書いているような事柄に当てはまることが多い、例えば目の前の人とお互いの意志の疎通がうまくいかなかった場合に、相手のミスもあるかもしれませんが、自分が本当に悪くなかったのかという事ももう一回確認します。


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なるほど、常に紳士ですね。

 

そうやって生きていけたらと思っています。でもその瞬間はやはりカーッとなりますよ。

 

人間だものというところですよね。
疲れたら凹むことってありますか?そんなときどうしていますか?

 

へこんだら取りあえず風呂に入って寝る。

 

落ち込んだ時に、やる気になるようなスイッチはあります?

 

寝た方がいいんじゃないですか?

 

取りあえず寝ろと。わかりました、みなさん、寝てください(笑)
では、現在の野望を教えてください。

 

メイドインジャパンというものを、もっともっと世界的なブランドにしたいですね。

 

悩んでいた頃の自分にアドバイスをするとしたら何を伝えますか?

 

底は起業した時かな?起業して2年目位からバイトしていた時ですね。
起業して2年目くらいの自分にアドバイス…そうですね、「もう少し人に頼ったらいいよ」ですかね。何でも自分でやらなきゃっていう思いが強すぎた。父を見返したいっていう思いもありましたからね。尖っていましたが、もっともっと色んな人に相談したらよかったと思いますね。

 

ありがとうございます。「もっと人に頼ろう」素敵なことですね。
では最後に、読者のみなさんに一言お願いします。

 

本当に今回ここに来させて頂いて、感謝しています。重松さんの読者さんの企画に参加させて頂いて本当に良いのかなってずっと考えていました。初めてお会いしてからもうかれこれ5年近くで、それから今まで途絶えずにこうやって繋がっているのは本当に重松さんの心が広いなと常々思っています。
どういった方が読まれるんですか?

 

30代-40代くらいのビジネスマンの方が多いんじゃないですかね?仕事頑張ってる人が多いかな?

 

僕も負けません!また読者の方ともお会いしたり交流できるような機会があれば、是非声を掛けて頂きたいなと。


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SWITCHオフ会っていうのをスタートしましたので、ぜひ交流しましょう!

 

ネーミングも良いですね。
みんなで日本を一緒に盛り上げていきましょう!

 

酒井さん、アツいお言葉で締めていただきました。貴重なお話ありがとうございました!

撮影協力 本多佳子