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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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「Work hard ,Play hard」 ―山口 仁史さん

【第3話】「リーダーは完璧でなくていい、いかにやる気を起こさせるかがその手腕」
2019年02月21日
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生き方考え方が、シンプルなのに説得力を感じるのは、欧米企業だけでなく中国企業や、日本企業との統合もご経験されたからこその深みかもしれません。意外なご趣味のお話もお聞きしました。最終話お楽しみください。

山口仁史

レノボジャパン
執⾏役員 COO 兼 Integrated Operations Lead

山口 仁史さん

HP:https://www.lenovo.com/jp/ja/about

 

2001年にP&G入社。サプライチェーンファイナンス、カテゴリーファイナンス、CBD(カスタマー・ビジネス・ディベロップメント)ファイナンス、カスタマーチーム・ファイナンスマネジャー、流通戦略担当を経験。その後、2011年にモルソン・クアーズ・ジャパン のCFOに就任、バックオフィス全体を管轄。2014年、ハイアール アジア グループに移り、 アジア全体のファイナンスVPや日本のマネージングダイレクターなどを歴任。2018年8月 から現職。

 
時間、お金、人付き合いのこだわりを教えてください。

大学生時代から変わっていないのですが、人とのつながりはとても大事にしています。最終的には人との信頼関係、人と人とのつながり、結局はそこかなと思っています。ですから、つながりのために、お金も時間も使いたいと思っています。

妻も、私が人とのつながりを大事にしていることを知っていて、理解してくれているので、会食が続いても一度も文句を言われたことはありません。それは本当に感謝しています。



素敵ですね。なかなか理解しあうのは難しいというご夫婦も多いと思います。

どういう風に時間を使っているかにもよると思います。私も全てがビジネスにつながることをしている訳ではなく、単純に友達と飲んだくれているときもあります。けれど、基本的には、人とつながるために時間を使っています。けれどこれも、子どもが生まれたので、少し変わってはきています。



優先順位のつけ方のこだわりを教えてください。

ビジネスだととてもシンプルです。インパクトの大きさで考えます。それが売り上げなのか利益なのかより、事業や組織に対してのインパクトの大きさで考えるようにしています。

単純に1億円、10億円と額が大きい案件だから優先するという訳ではなく、例え10円であっても、その得意先との関係性上大事であれば、その10円のために動くことを優先します。

昔、実際にあったのですがお得意様で10円支払額が間違っていたことがあり、本社の経理などたくさんの人を巻き込んでどうにかこうにか、その日中に10円をお支払いしたということもありました。その10円のために、ものすごい人数の人が動きました。たかだか10円であっても、最終的には10円で終わる話じゃない場合もありますから。そういうことも含めて最優先事項を決めて動いています。



わたしも、仕事において1円で泣くという経験はしていますから、よくわかります。プライベートの優先順位はどうですか?

これは、人生のライフステージで変わっていきますよね。若いころは遊んで楽しければそれで良かったですが、今は家族です。それは間違いなく一番優先順位が高いです。家族のために働いているという感覚も強いです。



そうなりますね。
できるビジネスマン、リーダーは何が違うと思いますか?

リーダーは絶対的に優秀である必要はないと思っています。全てにおいて完璧である人がリーダーになる必要はないということです。それよりも、リーダーがその組織をいかにやる気にさせるか。そういう関係性を築けるか。それに尽きるのではないでしょうか。



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そう言ってくれるリーダーの下で働くのはいいですね。

ビジネスなんてずっと順調であることなんてあり得ない。すごくきつい時も必ずあるじゃないですか。大事なのはそこでチーム、組織としてどうやって乗り切っていけるか、大変な時に前を向けるのか、それができるかできないかなのではないですか?



その「やる気にさせる」とうのは「モチベーションを上げられるか」ということですか?それとも「前向きにさせられるか」ですか?

それは相手によって違うので、例えば共通のモチベーションを作りそこに向かってやるというのも一つのパターンですし、このリーダーならついていくということもあるでしょうし、同じチームでも、Aさんは共通の目標で繋がっているかもしれませんが、Bさんはこの人とだから働きたいと思ってくれているかもしれません。それは人それぞれです。



そういう風に思ってもらえる部下は幸せですね。
ちなみに迷ったらどう選びますか?

仕事もプライベートも、オプションを考えます。Aパターン、Bパターン、Cパターン、、、、とできる限りオプションを出して「どれが一番いいかな」と考えます。



どれが一番いい?というのは、何で判断されるのですか?

最後の最後は自分の感覚です。プロコン (pros/cons)を書き出してみて、例えば、すべてのオプションの中でAのprosはいいのだけれど、その分consも大きいとしたら、ではバランスがいいのはオプションCかもしれない、それで最後Aを採るのかCを採るのかは感覚になります。オプションをまとめると頭の交通整理ができるので、やっています。



プロコン (pros/cons)を考えるのに基準値はありますか? プロコンの中身は決めずにまずは出してみる感じですか?

そうです。まずは出します。出すときに絞ってしまうより、一旦全部出します



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ちなみにそれはノートなどに書くのですか?

A4のコピー用紙に書きます。ノートとかではないですから、終わったら捨てます。

ノートは一切使わないです。昔はノートや手帳にびっしりと書いていたのですが、ある日思ったのですよ。「見返すことないな」って。自分の字が汚すぎてなんて書いているのかわからないなっていう経験をした後に全てやめました(笑)PCに慣れすぎていて漢字が書けなくなったのです。それがいいことかどうかはわかりませんが、残したいのであれば、デジタルで残しておいた方がいいなと思います。



(笑)そうですね。
山口さんにとって幸せってなんですか?

何でしょうか。他愛もない時間が幸せだなって思いますよ。年相応にそんな風になってきました。20代30代の頃は、こんな言葉は出てこなかったですね。こじゃれたお店で美味しい料理といいお酒を飲みたいとか言っていたと思います。



他愛もない時間とはどんな時間ですか?

それは、子どもとじゃれている時間でしたり、友達と飲んでいる時間とかです。



座右の銘はありますか?

「Work hard, Play hard」本気で働き本気で遊べ!です。

どちらか片方だけだとしんどいと思います。これは実現していると自信がありますね。



山口さんがハードに遊んでいることは何ですか?

趣味で、レストランやラウンジでDJをしています。



それはどのくらいの頻度ですか?夜通しですか?

2か月に一度くらいです。休日の昼間、午後3時くらいからです。なるべく電車のあるうちに帰宅しようとはしていますよ。



疲れたりへこんだりするときはありますか?

普通にありますよ。疲れたらマッサージに行きます。負けず嫌いなので、へこむと逆にやる気が出るのですよね。「しまった~」と一旦へこみます。でもその後、「見てろよ」という気持ちにだんだんなってきます。



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では、あまり特別なことをしなくても、戻ってくるのですね。

はい、日常では、朝起きて家を出る前にシャワーをすることでスイッチが入ります。

逆にシャワーを浴びないとその日一日頭がまわらないです。



とっておきの場所はありますか?

札幌と京都ですね。年に一度両方帰っていますが、毎回元気になりますね。



それはそこで会う人たちがいるからですか?

それもありますが、その町そのものが私にとっては特別な場所です。

やはりいろいろと思い出がありますから、そういうところに行くと、もう一回頑張ろうという気持ちになりますね。



戻れる場所ですね。
趣味はありますか?

DJを含めて、音楽です。聞くのも弾くのも含めて大好きです。去年沖縄に旅行に行ったときに、思わず三線を買ってしまいました。



最後に一言

自分の人生は自分でしか責任が取れないので、自分のやりたいことをやるのが一番ですね。

私は何らかのチャレンジの状況に自分を置きたいと思い、それを選択していますし、これからもそう在りたいと思います。



貴重なお話ありがとうございました。

(撮影協力 本多佳子)