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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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若い人たちには、スキルでなくセンスを磨いて欲しい ―橋谷有造さん

【最終話】自分を信じられなくなったらあと何を信じるんだろう。
2018年02月15日

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橋谷さんの「好きな言葉」に橋谷さんの芯の強さがつまっている気がします。
最終話どうぞお楽しみください。

橋谷有造

楽天生命保険株式会社 代表取締役社長 橋谷有造

HP:https://www.rakuten-life.co.jp/

-Profile-


はしや・ゆうぞう 1965年東京生まれ。1992年アメリカンホーム保険入社。2010年4月、44歳の若さで同社社長に就任。2016年6月より楽天生命保険株式会社代表取締役社長に就任。 ゴルフはプロ並みの腕前で、ハンディキャップは0。

 


#1 コミュニケーションが最大の武器になる。
#2 ビジネスでイニシアティブをとるのは、一番「考えている」人。
#3 自分を信じられなくなったらあと何を信じるんだろう。

人生全般において優先順位の付け方ってどういう風にされていますか?

人生全般で言うと好むか好まないかだけだね。好きなことを優先します。

仕事だとどうですか?

仕事だと、やはり効果を測定します。プライベートであれば、一切測定することなく自分の感情のままに動くけれど、ビジネスになるとどうしても、今より効果が高いのはどっちなのをまず検証します。そして保険会社として最大のプライオリティはお客さま目線であるかということですね。「売り手」と「買い手」という話を代理店さんにもよくします。自分が買い手の時はあれこれ聞きたいじゃないですか?でも実際に売り手になり、たくさんの質問を受けると、ちょっと面倒になることがあるかもしれない。自分が買い手なら聞きたいと思うのに、実際に売り手になったらその気持ちを忘れてしまう。この点を常にふりかえるのが、お客さま目線です。

これはプライオリティの中ではとても大きな要素です。これをやることによってお客さまの利便性が上がるのであればそれが最優先ですね。

ありがとうございます。なにかに迷ったときどうされますか?

プライベートも仕事も一緒ですが、悩んだときには、考えはするものの結局は直感なのかな。直感っていうとギャンブル性が高く感じるかもしれないけど、悩むということは甲乙つけがたい状況なわけですよね。どちらを選べばいいかわからない。けれど何か決められない理由があるはずです。わからないときや迷っているときっていうのは、やはり直感で決めるんじゃないかな。

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直感ってどうしたら鍛えられますか?

それがセンスなんじゃないでしょうか?経験がすべてだとは思いたくありませんが、よい経験はものすごい強みになりますよね。ここが、年配の人たちが若い人たちに負けない理由じゃないかな。

よく思うのが、主語がI(アイ)の人って比較的経験を無駄にしているような気がします。主語は常にWeかYouであるべきだと思います。

なるほど~とても鋭い視点ですね!

プレゼンテーションとか聞くと、自分が言いたいことを言う人と、相手が聞きたいことを言う人との間に大きな差があります。若い人は自分が言うことを優先してしまう。そこは相手が何を聞きたがっているのか、相手は何に反応するのか、を考えながらプレゼンするとうまくいく確率は格段に上がると思いますね。

非常に分かりやすいです。いいお話をありがとうございます。
橋谷さんにとっての幸せってなんですか?

幸せ。なんだろう。今も幸せなんですよね。ほんと幸せな人生だよ。

素敵ですね。

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幸せって好きなことができるってことなのかな。例えばお金があると幸せと言う人もいれば時間があれば幸せと言う人もいる。それをバランスよく全てを兼ね備えていることなのかな。お金だけあっても健康でなければしょうがないし、健康でもお金ないと辛いだろうし、だからそういうバランスよく全てを兼ね備え好きなことができるということでしょうか。

何か好きな言葉はありますか?

ずっと実践していることは「Believe in yourself」です。自分を信じることというのは若いころから、ものすごく意識していましたね。人にああ言われた、こう言われた、その人から言われたことに納得感があればそれは受け入れるけれど、わからないときはまず自分を信じます。ここでは右へ行ったらいいのかな?左へ行ったらいいのかな?という局面で、8割の人が右だと言っていても、自分が左だと思ったら左に行きます。自分を信じる勇気ってすごく大切で、自分を信じない人にはなりたくないなと思います。僕は自信があるから自分を信じている訳じゃなくて、自分を信じられなくなったらあと何を信じるんだろうって思うからなんだよね。

私の中のキーワードに自尊心というものがあるのですが、みんなが自分を信じて自尊心をもって生きられたら、いじめや、変な人間関係ってなくなるんじゃないかなと思っています。そういうことができる活動をやりたいと思っているので非常に素敵だなと思います。

自尊心を持つということは素晴らしいことだと思います

ただ行きすぎた自尊心というものに少し懸念もしています。さまざまな社会的弱者やマイノリティの方々の支援に携わるなかで、周囲の活動だけが盛り上がって、特別扱いや過剰なサポートになってしまう風潮を懸念することもあります。行きすぎかなと感じることも。

ただ、もちろん必要とする人にはサポートがあっていいと思います。

奥深くて考えさせられます。
橋谷さんは疲れたりへこんだりすることはありますか?

ないですね(笑)。体力的に疲れるときはあるし、人に裏切られたりしたら多少へこむけど、立ち直れないほどへこむような裏切りってないですね。

では、失敗してへこむことってそんなにないんですね。

ないですね。

立ち直るにはどうしたらいいのか聞きたかったんですけれども(笑)

(笑)ひとつ言えるのは若いうちは考えないことだね。将来自分のキャリアをどうしますか?っていうけど、例えばある程度の年齢になって、残りの人生のうちビジネスできるのはあと15年ですとなる。じゃあその15年でどういうビジネスをやりたいかって考えるのはいい。けれども、若い人はキャリアを考える前に今目の前の仕事を積んでいこうよ、と思いますね。

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あせらずにスキルじゃなくてセンスを磨けってことですね。
最後に聞かせてください。なんでそんなにゴルフがお上手なんですか?

なんだろう。やはりセンスなんじゃない?こんなこと言うと嫌われるだろうけど、ゴルフはセンスだね。まあ、ゴルフに限らず、どんなスポーツもすっとできる子はできるからね。

ありがとうございます。最後の質問なのに一気にやる気を失いました(笑)。
いつか一緒に回っていただけるよう経験を積んでセンスを磨きます。

(撮影協力 本多佳子)

#1 コミュニケーションが最大の武器になる。
#2 ビジネスでイニシアティブをとるのは、一番「考えている」人。
#3 自分を信じられなくなったらあと何を信じるんだろう。