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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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僕たちの仕事は、命は救えない。けれど、お客様の人生は変えられるかもしれない。―三原 孔明さん

【最終話】目指すは日本一学びの機会の多い会社であること。
2018年03月22日
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エステというと、ノルマや営業がキツイなんて先入観はありませんか?
一般的には開業しても、なかなか続かないエステの店舗事業ですが、こ
ちらの会社が急成長を続ける秘訣は研修の多さとその上質さ。
最終話、「目指すは日本一学びの機会の多い会社であること」 お楽しみください。


レナード株式会社 代表取締役 三原 孔明さん

HP:http://lenard.jp/

-Profile-


全国に展開する複数のエステサロンブランド、国内外へ販売する美容機器メーカー、化粧品メーカーなど計6法人を運営するレナードグループの代表取締役 2012年にレナード株式会社を設立し毎年200%以上の成長し、今後2025年に100億企業を目指す。企業としての成長の第一として「社員教育」を掲げ、 サロン運営においては潰れかけのサロンチェーンをM&Aにてグループ化し、 主に社員教育によって個々のマインドを改善し、短期間で売上を5〜10倍にするビジネススキームがある。 また美容機器メーカーでは製品力の良さはもちろん、三原の自ら営業マン一人一人に対して常々教育を行い、業界きっての営業力を誇る営業部を構築し、 国内外のマーケット拡大、シェア獲得を進める。 その教育の背景には、売上面だけの成果としてのこだわりではなく、お客様を幸せ、成功や、それを通じた自分自身のやりがい充実感、成長こそが最大の成果とする考え方「感動創造」という理念を掲げ、その浸透こそが教育においての最優先かつ最重要として取り組んでいる。

 

#1 教育の根幹は教え手が決して諦めないこと。
#2 理念や使命は100万回でも伝え続けないと忘れられてしまう。
#3 目指すは日本一学びの機会の多い会社であること。

御社は、従業員様は何名くらいいらっしゃるのですか?

本社スタッフが30名弱、店舗に120名くらいです。

2012年に創業されてまだ5年なのにすごいですね。
なぜここまで成功されたとお考えですか?女性活躍推進などと叫ばれていますが、実際にここまで女性がご活躍されている会社というのは少ない気がします。どうやって女性が活躍できる会社を作れたのですか?

そんな女性を上手く使っているような自覚はないですよ(笑)
先ほどの、女性は褒めるという話に通じるところがあるのですが、合言葉は「やればできる」です。
女性は承認欲求がすごく強いのですよ。誰かに認められたいという気持ちが強い。まずはそこをいかに満たすかだと思います。やみくもにおだてるわけではなく、できていることにフォーカスして、「すごいね、やればできるね」と言葉で伝える。「やっぱりすごいね」とその存在自体を認めてあげるというのは大事ですね。まずそこからスタートです。

そしてそれぞれその職業としての使命を教えていく。そこがなかなか腑に落ちない人には、「あなたの人生、誰のために何のために生きているのか。それによって仕事で何をなし得たいのか。」というところまでをまず研修をして明確にします。それが腑に落ちると働き方は明確に変わってきますよ。そうすると、今度はお客様に伝える話も変わってくるし、売り上げが変わり、目標達成につながります。自分の存在を認められることが自信につながり、それがお客様へ上手く循環していく。それが、女性社員の活躍につながっているのかもしれませんね。


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ちなみに研修は具体的にどの程度されているのですか?

まず、新人研修は、私の研修が半日から丸一日、接遇マナー研修が最低3日、技術研修が1~2週間、それ以外に定期的にその事業部(エリア別)の店舗の全社員を集めての研修があり、1か月の振り返りや成功事例のシェアをします。

新人エステティシャンからベテランまで全員参加ですか?

全員です。毎月研修の日は、店舗を丸々お休みにします。

それはなかなかできることではないですよね。

あとはエステティシャンの外部講師を招いて研修をしたり、僕の理念を浸透させるための研修をしたりします。これが月1回です。
また、役職による研修が別に丸一日あります。
店長研修、チーフという役職の研修、役職に就かない人のステップアップ研修があります。

では全社員が月に2回くらいは何かしらの研修に出ているということですか?

そうです。

教育に相当な力をかけていらっしゃいますね。
では三原さんが研修をされている日数というのは月にどのくらいですか?
1か月どんな感じでお仕事されているのですか?

月初から20日くらいまではずっと何かしらの研修と会議です。ですから20日ごろから月末にかけてやっと僕自身の時間が取れます。
その時間に今度は自分がセミナー受講をして学んだり、海外に行ったりします。

この研修量は同業の方と比べると多いですよね?

比較していないのでわかりませんが。僕が目指しているのは日本一研修の多い会社です(笑)。言い方を変えると、日本一学び、成長の機会の多い会社です。

その研修の目的は?学ぶことで業績も伸びるということでしょうか。

もちろん。これは投資なのですよ。時間とお金をかけている。
僕はこれが一番投資効率がいいと思っています。例えば、一番最初にこの会社を立ち上げたときに、4店舗のお店を買収しました。
その当時その4店舗合計の売り上げが300万円台でした。4月に買収したのですが、7月には売り上げは2,000万円になっていました。その1年後には4,000万円になっていました。一番売り上げた店舗は50万円しかなかった売り上げが1,200万円になりました。24倍ですよ。その間スタッフは増やしましたが、入れ替えはありません。
利益でいうと何十倍になるのでしょうか?

そうなるとスタッフの顔色も変わりますよね。

全然違いますよ。人生が変わります。研修がないとこんなことは絶対に成しえないし、ここまでの成果は出せなかったと思いますよ。

社長の考えや、経験、またいろいろな研修に出て学ばれていると思うのですが、その知識自体はどこから得てらっしゃるのですか?経験から出るものが多いですか?

月間で20~30冊ほど本も読みますし、セミナーも受けています。国内のものも、海外のセミナーにも出かけています。

ご自身の学びにはどれくらい投資されていらっしゃるのですか?

多いときは年間1500万円くらいかけます。高額なのは世界一のマーケッターとのマンツーマンのセッションですね。

1500万円!?それはすごいですね。どういったことを相談されるのですか?

これからのビジネスモデルですね。いろいろな戦略をひとつずつ練って、それを統合して教えてくれるのですよ。そしてそれを今実践していますよ。結構いい値段ですがそれだけの価値はあります。


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すごいですね。そういえば、私と三原さんが出会ったのも、泊りがけのセミナーでしたね。
ちなみに、時間、お金、人付き合いのこだわりはありますか?

会社のお金に関してはすべて投資だと思って考えています。
浪費なのか、消費なのか、投資なのか。その3つで考えて、投資的思考を大事にしています。全てにおいて、これは将来絶対に役に立つ、立たせるんだという意味合いで費用は使っています。なので、まだ今はステップアップのための土台作りの段階なのでどんどん投資をしています。
全事業部目標達成を毎月している会社ですけれども、その利益は開発や人材、環境などほとんど全部投資していますね。

これは消費か、浪費かと確認してからつかわれているのですか?

それは時と場合によりますよ。結果、これは浪費だったになることもありますからね。

時間に関してはいかがですか?

これはまだまだ僕の課題なのですが、僕の仕事の中で一番大切なのは会社の戦略を作ることです。ですが、オフィスに来るとなかなかその時間が取れないので、がらっと環境を変えるために海外に行ったりします。これは時間の投資とも言えますね。例えばバリ島に半年に一度は行き、半年間の振り返りをします。それから今後10年先の目標とか、見直しと戦略建てをします。同じことを考えていても毎回ちょっとずつ変わりますね。

考え続けることが大切なのですね。

自分のモチベーションも常に高めておかなければなりません。ですから一旦振り返って、「よし!これで行くぞ」と気合を入れなおします。
あとは貢献という意味で教える時間も取っています。去年でしたら年に4回ずつ、東京、名古屋、大阪、福岡で、エステサロンの経営者を集めて無料のセミナーを開催しています。年に計16回ですね。これはボランティア活動ですね。

私も一度、受講させていただきましたが、とても勉強になり、無料とは思えないクオリティでした。
ちなみに人付き合いのこだわりはありますか?

僕もまだまだ学ばせてもらう側の立場なので、やはり自分に素晴らしい影響を頂ける方、学ばせていただける方と時間を共有したいと思っています。

やはりお付き合いする方によって人生は変わりますね。
優先順位をつけるときにこだわっていることはありますか?

「人生の目的は?」というのを毎朝50個書き出しています。50個かけない日もありますが、普段は15個から20個、頭が冴えている日は50個書きます。そして、今日はそのために何をするかを考えます。僕の今の人生の目的は会社が8割なので、会社のことが多くなってきますね。人生の目的にゴールを持っていく。自分がこの命を終える時に絶対に後悔しないという覚悟ですね。

ちなみに何に書くのですか?

ノートに書いていますが、記録を取ることが目的ではありません。その目的をどう達成するかを目的にしています。一日一日の積み重ねが今日のここにつながるイメージです。

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そういったことを毎日続けていらっしゃる継続力が、とてもすごいと思います。
迷うことはありますか?迷ったときどう選びますか?

こう見えて、優柔不断なのですよ(笑)。
ですから、例えば、店舗を買うかどうかで悩むときは、そのお店のスタッフとお客様を今以上に幸せにできるかどうかで判断しますね。
結局経営判断として、会社の理念に合っているのかどうかですね。
先日、新宿の痩身サロン4店舗購入したのですが、そこは元々経営がとてもうまくいっていた店舗でした。僕はどちらかというと、低迷している店舗を立ち直らせるということをやってきていたので、うまくいっている店舗をそれ以上にするという経験がなかったのです。そのサロンはスタッフの半数が大手サロン出身で、教育もすでにできていました。
ですからそこを買うかどうかというときは悩みましたね。
ですが結果的に数ヶ月でそこの売り上げが倍以上になりました。売り上げ以上に嬉しかったのが、ここのリーダーたちの心意気です。先日全店舗、全事業部のリーダーを集めたのリーダー研修で、それぞれが5年後の目標を発表したときに、
ここのリーダー達は声を揃えて「5年で50店舗にします!」と言ってくれました。
僕が「50店舗にするからついてこいよ!」ではなく、スタッフのほうからそういう目標が出てきたことに、ものすごく驚きましたし、嬉しかったです。なぜその目標なのかと聞くと、「社長が100店舗100億円規模の企業を目指しているなら、私たちにその半分は任せてください」と。結果としてこの判断はよかったなと思いましたね。
結局、すべては理念に合っているかどうか。理念がすべての価値観の基準なので迷ったらそこに戻らないといけないと思います。

三原さんにとって幸せって何ですか?

やはり目の前の人の喜ぶ姿を見ることですね。スタッフの笑顔であったり、ご飯を食べている時間や妻や愛犬との時間も幸せです。

お話だけをお聞きしていると、成功している社長!!というイメージですが、日々小さな幸せをきちんと感じていらっしゃるのでしょうね。

そうですね。贅沢しているときが幸せだということは全くないですね。好きな人たちと過ごす時間が幸せですね。

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座右の銘はありますか?

「出会った人、深く関わった人の人生を変える」です。この想いは重松さんと同じなのではないですか?

そうですね。私も常に「周りにアップスパイラルを巻き起こしたい」と考えています。
この点で、いつも三原さんとは意気投合できて嬉しいです。
悩んだり、へこんだりすることはありますか?

へこんだり悩んだりすることもありますが、そう長い時間ではありません。へこんでいる時間はマイナスにしかならないので、なるべく早く切り替えようと努めます。人間なので、へこむな!というのは無理な話なので、味わい尽くしたらなるべく早く切り替えます。

どうやって切り替えるのですか?

それは、自分にそう言い聞かせるしかないです。それと同時に、「よりよい状態にするにはどうしたら良いか」というアイデアを考えます。このアイデアさえ浮かんでしまえば、切り替えて前に進むことができるじゃないですか。

最後にとっておきの場所を教えてください。

先ほど言いました、バリ島ですね。中でもウブドのリッツカールトンのヴィラがおススメです。自分とじっくり向き合う時間を取りたいと思われたらぜひ行ってみてください。

行ってみたいです!ありがとうございました。

(撮影協力 本多佳子)

#1 教育の根幹は教え手が決して諦めないこと。
#2 理念や使命は100万回でも伝え続けないと忘れられてしまう。
#3 目指すは日本一学びの機会の多い会社であること。