信じられるのは自分の軸、そのためのコンディション作りは怠らない。―茂木 里江子さん
最終話は、心身ともに豊かに生きていくためのヒントが満載です。
株式会社アザヤカコンサルティング 代表取締役 茂木 里江子さん
-Profile-
大学卒業後フリーアナウンサーとなり、TBSの中小企業を紹介する番組(スポンサー:中小企業庁)を9年に渡り担当。番組上で企業の経営手法や成功の秘訣を取材するに連れて企業支援に目覚め、2004年、企業経営を支援する株式会社アザヤカコンサルティングを設立。2010年には、グループ会社として税理士法人アザヤカが設立され、お客様と専門家との橋渡し役として資産税についてわかりやすく説明している。著書に「誰でもできる らくらく相続シミュレーション」他
時間、お金の使い方、人付き合いのこだわりはありますか?
時間はケセラセラ、その時の自分の気分です。そこにポリシーはないです。
お金に関しては、先日高須クリニックの院長がおっしゃっていた言葉がとてもいいなと思ったのですが、「お金はガソリン」っておっしゃっていて、それがないと車は走らないけれども、無駄に満タンにしていても燃費が悪くなるだけだと。
なるほどと思いました。自分が本当に気持ちよく走れる分、心配なく走れる分を常に補充できればいいという感覚なのかな。
使い方にこだわりはありますか?例えばこういうところには惜しみなく使うとか。
それもあんまりないですね。でも恐らくかなり使う方だと思います。バブルの時はお金が湧いてくるものだと思ってましたからね(笑)なんか掘り当てたのかってくらい下から湧いてくると思っていた。バブル星から今地球に来て20数年生きてきて、あ~そんなに埋蔵されていないんだ~と気がついてきましたけれど。
でもまあ、美味しいものは食べたい。あと100円単位の出し惜しみはしない。1000円以下のことはあまり考えません。そこでチョコチョコ節約したところで、私の場合は大きな節約にならないと思っています。スーパーでは値段はあまり見ません。まあ、そこで楽しめたら、それでいいんですけどね。
何百円のことを考えると何がもったいなくて考えないのですか?
まず、食品の場合は、少々高くてもそれで美味しくて安心ならそれでいいじゃないと思います。安い方が欲しいものだったらそれでいいけれど、300円高い方に興味があるなら、そのセンサーに素直になるということですね。そこは曲げないほうが自分のメンタルにとってもいいのじゃないかなと思います。
メンタルやコンディションを常に保つために、自分のセンサーを信じて、いい方を選ばれているのですね。
人付き合いのこだわりはありますか?
嘘をつかないこと。「内緒にしてね」と言われたことは他言しません。自分に対してもそうですが、人付き合いにおいても嘘はつきません。
あと、年齢が上がるにしたがって、限られた狭い集団とばかり会いがちなると思います。それをあえて取っ払うようにしています。
例えば20代若手IT経営者の会にあえて行ってみるとか、自分にとってすごく新鮮な場所へ行き、そこで人脈増やします。
そこにはビックリするような人もいるわけですよ。寝て起きてそのまま来たのですか?っていう人がいたり(笑)上下スエットだったり(笑)。でも話をするとすごく良かったりもする。あえてそういうところに行きますね。そういうところで腰が重たくならないようにするというのは最近特に心がけています。
確かに年を重ねれば重ねるほど億劫になりますよね。
そうなの、ツーとカーで通じる集団の方が楽ですよね。20代のIT社長たちなんて、訳の分からないカタカナの言葉が飛び交っていますよ。それを「どういうこと?どうやって使うの?」と聞いちゃう。
ぜひ見習いたいところです。
優先順位をつけるときのこだわりはありますか?
基本1番は自分の気持ちです。気持ちがいいかどうかをメジャーにしています。
そのために信じられる自分のコンディションにしておく。楽器でいうところの調律ですね。
できるビジネスマン、リーダーってどういう方だと思われますか?
やはり有言実行ができる人ですね。
一番ダメなのは、有言不実行。
下から、有言不実行→不言不実行→不言実行→有言実行の順ですね。ですから一度口に出したことはやるようにしたいと思っています。
後は、仕事を具体化できる人ですね。具体的な形にできる人というのは仕事ができる人だなと思います。
ビジネスマンについて言えば、ToDoを溜め込まないというのも大事ですね。優先順位がちゃんとつけられている。簡単にできるものからパッパッパッと片付けていける。それをずっと引っ張っている人は少しどうかなと思います。経営者について言えば、格言ですが、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」です。私もいつも気を付けようと思っています。自分が間違っていたら素直に謝れる人で在りたいし、そう在れる人は素晴らしいなと思います。
年とるとできることが増える一方、年をとってできなくなることがありますよね。
そうですね。自分が一旦発してしまったら、これが自分のスタイルだと言って認めないとかね。
茂木さんにとっての幸せってなんですか?
最近ね、健康でいることへの感謝がすごく増えてきました。それは心身ともにね。日々そう在れることに感謝しています。私はお酒も飲みますので、素敵な人と美味しいものを食べて飲めるということがとても幸せですね。
あと、仕事上でのアドバイスをして、それが役に立ったと言われること、これも幸せですね。幸せってすごく大きな何かを手に入れた!ということではなく、日々の小さな幸せの積み重ねが幸せかなって思います。
心身ともにとおっしゃるのには何かありますか?
心が健康でない方も多くいるのを見ています。心身と漢字で書くと心が先なんですよね。いくら身体が健康でも、食べ物が砂をかんだようにしか味がしないという人もいるかもしれない。だから、両方健康でなければならないですよね。
メンタルで病んだことがおありですか?
私はないです。けれど、産業カウンセラーとして実習したときにそういう方がたくさんいらっしゃることも知っています。
気を付けていらっしゃることはありますか?
私は胃が弱いので、何かあると胃に不調がきます。胃に来たら「これは休めということね」というセンサーです。そのときは休みますね。そのあたりは過信してないですね。
3年前くらいに、忘年会を40本近く入れてしまったことがあって(笑)その時は過信してたの。18連ちゃんくらいでどんどんどんどん辛くなってきて、最終的に倒れました。それから過信はしなくなりましたね。達成できなかった悔しさはありましたけれど(笑)。あと何ラウンドだったのに~って。
座右の銘はありますか?
「人に好かれるわがままになりなさい」です。20代の頃に尊敬している整体の先生からいただいた言葉です。この言葉は要所要所で自分に確認しています。
すごくいい言葉ですね。私の目指す姿はこれだなと思いました。こんな風に生きたいですね。
この人が言うならしょうがない、動いちゃおうかなとか、コイツが言うんだったらしょうがない、と相手が受け止めてくれるようになろうとは意識しています。
これがあることによって、何か日々の行動が変わりますか?
自分で我慢しなくなりますね。我慢したくないから相手にボールを投げますが、投げ方を工夫します。相手が受け止めてくれるような投げ方をします。
疲れたり、落ち込んだりするときに、どうやってスイッチをいれますか?
傾向として、軽いへこみの場合は友達を誘って飲みに行きます。落ち込んでいることに関しては一切触れないで盛り上がる。
すごく重いときは、布団かぶってただひたすら寝ます。寝れなくても横になってゴロゴロします。
ゴロゴロしていると、「あーすればよかった」とか「今さら変えられないし」とかどんどん、思いが出てきます。またウトウトして、、、を繰り返すうちにどんどんそのことが脳を占める割合が減っていきます。
これまでのご経験で、最大どのくらいゴロゴロされたのですか?
3日かな。
意外と長いですね!会社員などで、3日休めない人はどうしたらいいと思われますか?
それは土日までもってくしかないよね。金曜にコンビニで買い込んで、土日一歩も出ずに、それこそ干物女みたいに、ゴロゴロする(笑)
さすが(笑)ほんと茂木さんらしい解決策です(笑)。とても好きです。
そうすると人間って不思議なもので、ずっとそれだけに集中できなくなるんですよ。生きていくために、そこがだんだんだんだん薄くなる。いろんなことに折り合って生きていかなければいけないですからね。
勉強になります。ありがとうございます。
とっておきの場所はありますか?
お店で最近気に入っているのは新橋の「翔地」という割烹です。和食はいままで敷居が高いというイメージだったのですが、そこはお値段もリーズナブルですし、とても気に入っています。最近はお店が主催するゴルフコンペにも参加しています。
好きな国はイタリアですね。目を喜ばせてくれる国ですね。色も人間も。
1泊2日の時間があればどこに行きたいですか?
美味しい酒蔵ですね(笑)。魚卵、酒、魚卵、酒、あ~どっちで止めようかなって(笑)。
(爆笑)素敵です。
最後に、お仕事以外の時は何をされているのですか?趣味はありますか?
趣味は、ジャズボーカルのレッスンを細く長く10年くらいやっています。全然うまくならないのですが、たまにリサイタルっぽいものをさせていただいています。
ジャズボーカルってめちゃくちゃかっこいいですね。私もジャズにあこがれて5年ほど前にサックスを習い始めたことがあります。すぐにリタイアしてしまいしたが・・・。
ジャズの雰囲気がすごく好きで、素人がジャズやっているっていうのも好きです。
今度ぜひ聴かせてください。
あと、気が向いたら油絵を描いています。自己流の抽象画です。
その絵はどうされているのですか?
家に飾っています。50号の絵を3年かけてこの前仕上げました。
え~すごいですね。
家に飾る絵を自分で描けるってすごいですね。ここにこの大きさの絵を飾りたいから描くわけですよね。
そうなんです。決して上手くないのですが、世界で一つしかないものを飾れることには喜びを感じます。
ホント多才で素敵です。ありがとうございました。
(撮影協力 本多佳子)
#1 バブル時代のTVリポーターから38歳で社長に
#2 嘘はつかない。自分をごまかし始めると自分のセンサーが狂いますから
#3 人に好かれるわがままであれ