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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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「周りを幸せにすること」と「自分としての痛快感」。僕は、この二つで仕事をしています。―足立 光さん

【第3話】自分の名前がブランド。だから結果にはこだわる。
2017年08月24日

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巨大外食チェーン、マクドナルドのV字回復を支えた立役者、足立光氏。そのとき、何を考え、何を実践したのか。ビジネスマン必見、必殺仕事人の仕事術をおうかがいいたしました。第3回をお送りいたします。(全4回)

足立光

日本マクドナルド株式会社 上席執行役員 マーケティング本部長 足立光さん

HP:http://www.mcdonalds.co.jp/

-Profile-


一橋大学商学部卒業。P&Gジャパン(株)マーケティング部に入社し、日本人初の韓国赴任を経験。ブーズ・アレン・ハミルトン、及び(株)ローランドベルガーを経て、ドイツのヘンケルグループに属するシュワルツコフヘンケル(株)に転身。2005年には同社社長に就任。赤字続きだった業績を急速に回復した実績が評価され、2007年よりヘンケルジャパン(株)取締役 シュワルツコフプロフェッショナル事業本部長を兼務し、2011年からはヘンケルのコスメティック事業の北東・東南アジア全体を統括。(株)ワールド 執行役員 国際本部長を経て、2015年より現職。

 

#1 マーケターから再建請負人、再び人の心を動かすマーケターへ。
#2 仕事を楽しめない人は かわいそうだなと思う。
#3 自分の名前がブランド。だから結果にはこだわる。
#4 コントロールできないことでは悩んだり、へこんだりしない。

今、一番興味のあることは何ですか?仕事ですか?

今興味があることは、やはりマクドナルドが成長することですよね。2年前のマクドナルドに関する記事をご覧頂ければわかりますけど、「もうこのビジネスモデルは終わった」とか「もう潰れるんじゃないか」って話がバンバン出てた頃に入社しています。だから、そういう人たちを驚かせたい。「周りの人を幸せにする」という話しと、自分にしかできない「痛快な」サプライズをしたい、その両方とも、今はまだ途中だと思っているので。

どうなったらマクドナルドが成長したと判断されるのですか?

収益を犠牲にせずに、売上が伸び続けることですね。それが少なくとも数年続くと、間違いなく「成長」だと思います。実はすでに今この瞬間、マクドナルドとして過去最高レベルとなっている数字が結構あるんです。ただ店舗数もピーク時から比べれば減っているので、全体の売上では過去最高に届かないんですけど。数字を1つ1つクリアしていって、これ以上何を求めることができるか、というところまで行けるといいなと思っています。

なるほど。では、時間の使い方・お金の遣い方・人付き合いのこだわりをお聞かせください。

時間が一番貴重だと思っています。お金ではないと思っています。なので、いつも時間効率を最優先しています。例えば過去に、オフィスまで通勤に30分以上かかるところに住んだことは一回もありません。必ずオフィスの近くに住んでいます。経費がでなくても、普通にタクシーも乗ります。タクシーなら電話もできますしね。常に情報を得るために、ずーっとスマホをいじっています。メールだったり、ソーシャルだったり、色々ありますけど、自分のSNSって、時間も話題も関係なく、いつもいろいろなものがアップされているでしょ(笑)?

そんな感じがしますね。この人は、いつ仕事しているのかな~って。

人生短いので、仕事だけではなく、いろんなことをしたいから、時間効率を最優先してるんです。昔、社会人になったばっかりころ、お金ないじゃないですか。シャツをクリーニングに出さずに、自分で洗っていたんですよ。洗ってアイロンかけるんですけど、時給あわねー!!と思って、シャツはクリーニング出すことにしました。時間の方が大切なので。
人付き合いという意味では、ご存知かもしれないんですけど、僕夜はずっと毎日、何かの予定が入っています。例えば、この瞬間、夜の予定が空いているのは3ヶ月先なんですよね。

えっ??それはすごいですね。

夜のスケジュールは全部埋まっているんです。というか、いろんな方にお会いしたいので、意図的に埋めています。風邪でもひいたら大変なことになるんですけど(笑)。夜の予定は、会社関係が4分の1くらいですかね。それは社員だったり、お仕事してるサプライヤーさんとかエージェンシーさんとかです。ただ、残りの4分の3は、もう直接仕事に関係ないか、間接的に関係がある、という方ばかりです。
いろんな方にお会いすると、いろんなことを学べるんですよね。同じ業界の人と会っていても、あまり学べることが少ないし、会社の人だったらランチでいけばいいと思ってます。なので、夜は全く違った業界とかお仕事の方々に会うことを、一生懸命優先しています。これ、10年くらいやっているかもしれない。年末とかは、1日に18時、21時、24時と3回も夕食の予定が入ることも、珍しくはありません(笑)。

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3回晩御飯ですか!久しぶりにお会いするので、マクドナルドばかり召し上がっているし、お体一回り大きくなられているのを想像していたんですがスリムでいらっしゃいますね。

今はマクドナルドで週10回くらい食べていますけど、以前よりやせていますよ。というのも、ビックマックでも530カロリーしかないんです。ビックマックとサラダとお茶の組み合わせだったら、530カロリーのままで、病院食と同レベル、カツカレーの半分以下。だから週10回、マクドナルドで食べていても、太らないんです。なかなか痩せませんが(笑)。要は、食べ方の問題。「マクドナルドは、太る」と思ってる方は、実はロジカルではありません(笑)。

それはすごい。では体型以外で20代30代の頃と変わったことと、変わってないことはありますか。

あんまり変わってないんですよね、実は。コンサルタントの頃からなんで、あれは30代あたまくらいですかね。こんな風に毎日人と会っています、時間大切ですとか、寝ないとかですね、コンサルタントのときからずっとそんな感じなんですよね。

実際、睡眠時間はどの位短いのですか?

午前3時から午前7時が睡眠です。風邪とか引いたらもう少し寝ますけど、そうじゃないと飲まなくても大体2時3時まで起きています。やることがいっぱいあるんで。
でも、以前ははそうじゃなかったので、それも訓練次第かと。新入社員のころは暇でしたから寝ていました。起きていてもね、お金になることひとつもないじゃないですか。当時インターネットなかったですしね。本読むくらいじゃないですか。
私は基本、テレビを見ないんですよ。テレビは時間当たりのインプット量の効率が悪いので、見ないんです。テレビ全然見ない生活をもう10何年しているかもしれませんね。

座右の銘はありますか?

「PSP」って昔から言っています。ゲームみたいでしょ?「プライド、スピード、パッション」です。まず「プライド」といっているのは、仕事についてで、自分の名前がブランドなのです。

自分の名前がブランドなんですか?

「足立さんに仕事を任せると、こうなる」というのは、まさにビジネスパーソンとしてのブランドだと思ってます。そのようなブランドを築くためには、そのような結果をだし続けなくてはならない。だから仕事の結果にはすごくこだわっているし、ちょっと変な言い方ですけど、長い期間で見れば、仕事で失敗したことはないんですよ。ふだんどんなに飲んだくれてても(笑)、仕事はちゃんとするっていうプライドはある。それがないと、社会人として信用されないですからね。
「スピード」は、なにもかも速いんですよ。今早口で申し訳ないなと思いながら、これでもゆっくりしゃべっているほうです。メールとかの返しも早いし、決断もパッとして、やりながら考えるんです。スピードというのは大事にしています。
で、「パッション」はそのとおり、情熱ですね。このパッションも、いわゆる「内に秘めたパッション」って、全然意味がないと思っています。仕事を頑張るのは当たり前なので、頑張っていますアピールというと語弊がありますけど、そういうパッションは外にまき散らして、いろんな人を巻き込んでいく、というようにしています。頑張っている人を助けたいって、世界中に共通だと思うんですね。だから、僕には静かな人のイメージがないでしょ(笑)。
「結果にこだわる」、「すべて早くやる」「ちょっとでも時間を無駄にしない」、あとは「情熱を撒き散らして周りを巻き込んでいきましょう」っていうのが自分のやり方です。

素敵ですね。でも部下の方でそうじゃない人もいるじゃないですか。そういう場合はどうされるのですか?

どんなふうに仕事をするかは、個人の価値観ですよね。だから、自分と同じように仕事をすることを他人に求めることはありません。仕事は、淡々と長くしていきたい人もいるじゃないですか。それはそれでひとつの価値観だし、そういう生き方で全然構わないし。

スピードに関しても、私はゆっくり考えないと不安という人もいっぱいいるのも理解してます。8割の情報が揃ってから決めるか、5割の情報で決めるか、どこで判断するかだけなんですよ。自信を持って判断できる条件は、人によって違うので、そこは誰にも自分と同様なことは求めません。だって、違うから。人は。

第3回は、時間の使い方、座右の銘についてお聞きしました。晩御飯を3回召し上がることもあるという人とのお付き合いについてなど、とても刺激になるお話しでした。次回はいよいよ最終回、迷わない技術についてお聞きします。お楽しみに!

#1 マーケターから再建請負人、再び人の心を動かすマーケターへ。
#2 仕事を楽しめない人は かわいそうだなと思う。
#3 自分の名前がブランド。だから結果にはこだわる。
#4 コントロールできないことでは悩んだり、へこんだりしない。