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CONCEPT -Think&Talk-|学び続け、進化し続けるビジネスマンに向けて、さまざまな業界のトップリーダー たちと仕事観を語らう。

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ドキドキの怖さをワクワクに変える―井上 博登さん

【第3話】「仕事の報酬は仕事」
2019年09月19日
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第3話には「素直さ」というキーワードが出てきますが、井上さんこそとても素直な方だと感じました。
ご自身に影響を与えた方々の言葉を、何年もかけてご自身のものとしていく。それは素直さと謙虚さがあるからこそだと思います。
最終話、井上さんならではの発想がギッシリです。どうぞお楽しみください。

 井上博登

株式会社スターネクスト
代表取締役社長

井上 博登さん

HP:http://www.star-next.co.jp/

 

1984年8月生まれ。 東京都出身、立正大学経済学部中退。光通信系の企業に営業職として入社。社内最速で管理職(マネージャー)に就任。その後、株式会社サイバースターにて美容系メディアの営業部部長に就任。株式会社サイバースターは、東証一部上場の株式会社アイスタイルに買収された後、株式会社アイスタイルにてソリューション営業部部長、サービス開発部部長に就任。2013年2月に株式会社スターネクストを設立、代表取締役に就任。

 

小学校の時なりたかったのは何ですか?

 

建築士です。新聞広告に一軒家やマンションの間取り図面が載っていて、それを見るのが大好きでした。私は父が公務員だったので官舎に住んでいたのです。6人家族でしたので当然自分の部屋はなく、兄と相部屋でした。その広告を見て妄想するんです(笑)自分が作るならどんな間取りにするかなって考えながら理想の間取りを描いていました。小さいときはそういうのが大好きでした。

 

なぜそこまでお好きだったのですか?

 

それは理想の自宅への強い憧れです。

 

その思いが原動力になるのでしょうね。
ご兄弟は、どういう方だったのですか?

 

他の兄弟は私とは全く違い、生徒会をしていたりと、とても真面目でしたよ。

 

では突然3番目が、やんちゃだったのですね。ご自身の強みは何だと思いますか?

 

私の強みは、どんな環境でも楽しめることです。自分で楽しいことを見い出せます。見い出すしかないです。周りの人で楽しむのか、目の前の仕事を楽しむのか、何で楽しむのかはわかりませんが、私はとにかくその環境で楽しめます。

 

お強い!!とても説得力があります。それができるコツは何ですか?

 

コツは、ピエロになれることです。ただ待っているだけで周りが楽しくしてくれるということはないです。サラリーマン時代もそうですが、元々いい会社なんてこの世の中にない。ただ、自分がいい会社にすればいいだけです。その「いい」という定義すらそれぞれ違うじゃないですか。私はバリバリ働けるのがいい会社だと思いますが、そうじゃないという人、ほどほどがいいという人もいる。いろいろな人がいます。それならば、それぞれがいい会社にすればいいだけです。これはリーダーの条件にも通じると思います。

 

ではリーダーの条件はピエロになれる人ですか?

 

そうです。先頭で踊れる人です。

 

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それはできるビジネスマンに共通していると思われますか?

 

そう思います。ただピエロになるだけなら、宴会部長なだけですが、そこに更に、目配り気配り、その場の空気が読めるというのがあるのではないでしょうか。

 

確かにそうですね。時間お金人付き合いのこだわりを教えてください。

 

亡くなられたサイバースターの社長がよく「人、モノ、金だぞ」とおっしゃっていました。それはその順だということで、人をとても大事にしています。優先順位は、ワクワクする気持ちを優先します。現実的にやらなければならないものは当然やりますが、それをこなせるのであれば、優先順位はワクワクすることからです。

 

ワクワクすることを優先できる人もいれば、それができない人もいると思うのですが、その方はどうしたらいいと思われますか?

 

例え、自分が企業の歯車であっても、それ自体を楽しめばいいんじゃないですか?だってその人が止まれば、歯車は回らないじゃないですか?当然「替えがきく」なんて言いますが、そこのところ勘違いしてもいいんじゃないですか?

 

迷ったらどう選びますか?

 

それは当然、楽しい方です。

どっちが楽しいか迷うことはないですか?
同じくらい楽しそうならどうしますか?

 

そんな時は1人で決めないかな。そもそも1人で楽しむよりも大勢で楽しむことが多いので。「楽しい」は誰かと共有すればもっと楽しくなるのだから、一緒に楽しむ人に相談しますね。私は「1人で楽しい」というのはあまりないです。一人遊びはできないタイプです。

 

井上さんにとっての幸せとは何ですか?

 

ちょっと偉そうに聞こえるかもしれませんが、私は、妻が自由に過ごしているのが幸せなのです。妻が自由にしている姿を見ると、自分が頑張れていると思うのです。それが幸せです。

 

自由ってどういうことですか?

 

やりたいことをやることです。その環境をつくってあげられることです。

 

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それはそうですね。自分に一番身近な人がやりたいことをやってくれることが、自分の力量というところはありますよね。

 

そうです。会社においても同じことが言えます。私以外の人が、「こういうことをやりたい」と案を出してくると、会社の応援の仕方は金銭面だったり、いろいろありますが、それも少しずつできるようになってきたことも喜びです。

 

奥様はお幸せですね。
人生を楽しくするためのパートナーですね。

 

まあ、そうですね。妻は一緒にいると楽しい人です。

 

お子さんの成長も楽しみですね。
こんな風に育ってほしいというのはありますか?

 

海外に行ってほしいですね。色々経験してきて思うことは、たとえ到着地点が同じでも考え方は何通りもあるということです。インド式の掛け算もそう、日本に居てはそんな方法があることすら知らずにいると思います。そういう経験をたくさんしてほしいと思います。

 

人生の中で大切にしていることは何ですか?

 

人を大切にすることです。私の幸せも、選択も、すべて根本は人です。人に由来しています。私は人に恵まれています。大切な人にとって私もそんな存在になれたら、なお幸せです。

 

座右の銘はありますか?

 

「仕事の報酬は仕事」

 

すごく共感します!

 

これも前の社長よりいただいた言葉なのです。転職で報酬が下がった、その時に言われたのがこの言葉です。当時私はこの言葉が理解できなくて、、、。でもその後、色々な経験をしていくうちに、この言葉は間違いないと感じたのです。

 

本当にその通りですね。

 

仕事の報酬は仕事。私たちがいい仕事をすれば、また更にやりがいのある仕事をくれる。それは今までより少しハードルが高いものかもしれませんが、それを乗り越えると、更に、、、と続いていきます。

 

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疲れたりへこんだりすることはありますか?そういう時はどうされますか?

 

仲間と遊びます。仲間で集まるとね、頑張っている姿に刺激を受けます。業界は全く違っても、みんな色々とチャレンジしています。そういうのを見ると、負けたくないという感情も出てきますし、純粋に格好いいなと思ったりします。

 

いつ頃のお仲間なのですか?

 

小、中学校からの地元の仲間や、社会人になってからの仲間もいます。

 

現在の野望を教えてください。

 

今、クラブの予約サイトを作っていますが、まずはアジアのインフラを作っていきたいですね。ゆくゆくは世界へ。

 

趣味はおありですか?

 

子どもと遊ぶことです。最近は釣りですね。海釣り公園に行ったりします。柵があるので子どもも安全ですし楽しいです。先日はサメを釣りました(笑)

皆がアジ釣っているのに、私はなぜか、ヒトデとか珍しい物を釣ってしまうので、子どもには人気者です(笑)

 

釣り、楽しそうですね。やってみたいです。
20歳の自分に声を掛けているとしたらどんな言葉をかけますか?

 

「素直さと謙虚さがあれば何とかなるよ。」

 

本当にそれは大切ですね。

 

素直であれば、どこまでも成長できますから。楽しくいきましょう。

 

「楽しい」ということがわからない人も多いのですが、その方たちへ向けて。

 

怖さの「ドキドキ」と楽しいの「ワクワク」は紙一重です。経営者はみんな、ドキドキをワクワクに変えられる人だと思います。心臓バクバクの怖さは楽しいに変えられます。恐怖とともに進め!ですね。

 

そうですね。本当に納得しました。いいお話をお聞きできました。
ありがとうございます。

 

 

撮影協力 本多佳子